県産茶の種類

茶種としては普段よく目にする煎茶、そして九州独自の蒸し製玉緑茶と釜炒り茶の3茶種が主に生産されています。
特に玉緑茶は全国の生産量の1/4を誇っています。

蒸し製玉緑茶(むしせいたまりょくちゃ)

県内全域で生産されている、本県のリーフ茶(急須で淹れるお茶)の代表格と言えるお茶です。 本県での生産の歴史は古く、昭和7年に「玉緑茶」と全国で名称が統一された時には九州随一の生産量を誇ったとされ、現在も、釜炒り茶を含む「玉緑茶」の生産量は全国の4分の1を占めています。
製造方法は全国の主要茶種である煎茶と似ていますが、終盤の行程の違いにより、勾玉状の形状になるのが特徴です。
蒸し製玉緑茶は終盤の工程で加圧せずに成形するため、収量を重視した繊維の多い茶葉では、本来の形状にはなりません。本県の上級品は、収量を抑えて繊維の少ない茶葉だけを収穫するため、生産量が少なく、その大半が県内で流通しています。

釜炒り茶(かまいりちゃ)

全国の大半のお茶が収獲した茶葉を蒸して製造するのに対し、釜炒り茶は炒って製造します。
歴史は非常に古く、江戸時代以前から生産され、肥後藩主、加藤清正公も年貢として納めさせたとの記録が残っています。 また、本県と宮崎県に残る「青柳(あおやぎ)式」は、佐賀県方面の「嬉野式」とともに残る伝統的な釜炒り茶の製法です。
製造方法は蒸し製玉緑茶と似ていますが、最初の炒葉(いりは)工程が特徴的であり、また茶工場によって製茶機には独自の改良が施されていることが多く、同じ製法でもその特徴は多様です。 お茶を淹れた際、蒸し製玉緑茶が青みの強いお茶になる反面、釜炒り茶は黄金色でこくのあるお茶を楽しむことができます。

煎茶(せんちゃ)

全国の都府県で広く生産されている日本を代表するお茶です。
本県でも数量ベースでは蒸し製玉緑茶以上に生産されています。
製造方法は蒸し製玉緑茶と似ていますが、終盤の工程まで葉を揉み込むことで、針のような形状をつくることができます。 本県では、リーフ茶向けのお茶からペットボトル向けのお茶まで様々な用途向けに生産されています。

お茶には機能性成分がいっぱいです

九州イイモノがたり「くまもと茶」

出典:経済産業省 九州経済産業局